Androidアプリ開発の極意 4,5章ユーザー体験と非同期処理

前の記事同様に Androidアプリ開発の極意 | 技術評論社の「ユーザーストレス軽減」まわりの実装Tipsと、並行処理の選択肢をざっくり整理してExpo周りと絡めたもの。細かい実装には踏み込まず、要点だけ。 はじめに アプリが固まる原因の大半は、メインスレッド(UIスレッド)を長時間ブロックしていること。非同期処理の設計は結局「ユーザーを待たせない」という一点のためにある。 二部構成で一部は本を読んだ感想+α、二部がExpoだとどうなるかって話。 基本的にAIで出して、それを読んで調べたりしたもの。 第1部:Androidの話 Android(Java/Kotlin)側だけで完結する話。UXまわりの実装Tipsと、非同期処理の手段がsynchronizedからVirtual Threadsまでどう変遷してきたかを、Expoの話を挟まずに整理する。 UXまわりの小さな判断 時間のかかる処理にはProgressBarで進捗を見せる SharedPreferencesは永続化のためディスクI/Oが発生する セルラー通信時は重い処理の前に一言断りを入れると親切 エラーはその場で表示しつつ、Crashlytics/ACRAのような開発者向けツールで後から追える形が理想 NDKは高速化と引き換えにデバッグの複雑さが増す。基本的には奥の手 非同期処理はなぜ増え続けているのか synchronizedは「同時に入らない」ことしか保証しない。順番までは保証しない。 Threadを直接生成した場合も同様で、生成順と実行順は一致しない。順番を保証したいならExecutors.newSingleThreadExecutor()のような直列化の仕組みを使う。 ExecutorServiceは、スレッドを直接管理せず、プールとキューで管理する仕組み。スレッド数の制御や再利用をアプリ側のロジックから切り離せる。 AsyncTaskはAPI 30で非推奨になった。ライフサイクル管理が弱く、Activity/Fragment破棄後もタスクが動き続けてリークやクラッシュを招くのが理由。 今の主流はKotlin Coroutines。スレッドをブロックせず中断できる軽量な並行処理で、排他制御が必要ならMutexを使う。UIに紐づく短い処理はCoroutines、画面を離れても続けるべき処理はWorkManagerと使い分ける。 JVM側ではJDK 21でVirtual Threads(JEP 444)が正式機能になった。I/Oバウンドな処理を大量にさばくのに向くが、CPUバウンドには向かない。ただしこれはJDK/Java SE側の機能で、Android Runtime(ART)は非対応。Androidアプリでそのまま使えるわけではない。 Akkaはアクター単位でメッセージパッシングする設計思想。2022年にライセンスがApache 2.0からBSL(Business Source License)に変わり、2024年10月以降はproduction利用にライセンスキーが必須になった。個人・OSS・startupは無料キー、商用は原則サブスクという体系。汎用ツールというより大規模分散システム向けの専門ツールという位置づけに変わっている。 比較表(Android) 手段 排他制御 順序保証 位置づけ synchronized あり なし 低レベルの排他制御プリミティブ Thread直接生成 なし なし 基本的には避ける ExecutorService 設計次第 直列化すれば可 CPUバウンド処理で有効 AsyncTask なし なし API 30で非推奨 Kotlin Coroutines Mutexで対応 設計次第 Android/Kotlinの主流 Virtual Threads 従来通り 設計次第 JVM側、I/Oバウンド向け(ART非対応) Akka アクターモデル 条件付き 大規模分散システム向け 「排他制御」と「順序保証」は別物。ここを混同すると設計は破綻する。AsyncTaskはAPI 30で非推奨、今はCoroutines(短命処理)とWorkManager(永続処理)を使い分けるのが主流。Virtual Threads(JDK 21)はJVM側の話でARTは非対応。 ...

August 18, 2026 · 1 min

Androidアプリ開発の極意 2,3章あたり ANR、UIスレッド

Androidアプリ開発の極意 | 技術評論社 この本読んでる。2017年に出版してて、内容には古いものがいくつかある。 そこはAIの使いどころ。とりあえず学習したことを軽くメモして、中身について古い場合は指摘を入れたり、今は何が主流なのかといったことを補完するような指示を出した。 サポート付きの読書っぽいことをしながら読み進めて、文章をまとめた。 概要 React Native/Expoでアプリを書いていると、「なぜかカクつくが、クラッシュログには何も残っていない」という現象に何度もぶつかる。 原因を追っていくと、大体はUIスレッドを塞いでいるか、メモリを食い潰しているかのどちらかという同じ根っこに行き着くことが多い気がする。 この記事では、Androidアプリ開発の極意 | 技術評論社の3章UIスレッド/ANRの基礎から、React NativeにおけるJS-ネイティブのスレッド分離、コルーチンとasync/awaitの正体、Android/iOS/RNの非同期処理対応、そして見落とされがちなメモリ管理(OOM・LMK・Javaのメモリリーク・useEffectのクリーンアップ)までを、実務で踏んだり踏みそうな地雷も交えて整理した。 なお、私は仕事でしばしReact Native Expoを利用しているため、なるべくそちらに沿った内容に寄せて本文を作成する。 それによって本の内容とは離れることがしばしあるが、そこは予め留意してほしい。 全体像 まずスレッドの分離構造をざっくり図にする。 [Android/ネイティブ] UIスレッド(メインスレッド) ── 描画・入力処理を担当 │ │ 5秒ブロック → ANRダイアログ ▼ ワーカースレッド/コルーチン(Dispatchers.IO等) ── 重い処理はここへ逃がす [React Native/Expo] JSスレッド ── ビジネスロジック・状態更新・レンダリング計算 │ │ (ブリッジ/JSI経由) ▼ ネイティブUIスレッド ── 実際の描画 │ (任意) Worklet用の別JSコンテキスト ── react-native-worklets-core / Reanimated ポイントは、Androidのネイティブ層には「ANR」という可視化された強制終了の仕組みがあるが、React NativeのJSスレッドが詰まっても同じ仕組みは働かないという非対称性にある。以下、順番に見ていく。 UIスレッド/ANRの基礎 Androidでは、UIスレッド(メインスレッド)が入力イベントに応答できない状態が一定時間続くと、システムが強制的にANR(Application Not Responding)ダイアログを出す。Android公式ドキュメントによれば、入力イベント(キー押下や画面タップなど)に5秒以内に応答しない場合にANRがトリガーされる。これはフォアグラウンドの入力ディスパッチに関する条件で、他にもブロードキャストレシーバーやサービスの応答遅延など複数のANR条件が存在する。 一方、React Native/Expoでは事情が異なる。RNのアーキテクチャはJSスレッドとネイティブUIスレッドが分離されている。JSスレッドが重い処理で詰まっても、ネイティブ側のUIスレッド自体がブロックされているわけではないため、Android OSが検知する「入力ディスパッチのタイムアウト」という意味でのANRダイアログは出にくい。ただし、体感としては「タップしても反応がない」「アニメーションがカクつく」という、ユーザーから見ればANRと区別のつかない現象が起きる。ANRダイアログが出ないぶん、むしろ発見が遅れて厄介とも言える。 補足: 「RNならANRが原理的に起きない」という理解は不正確。JSスレッドが完全にブロックされている間、そのJSスレッドに紐づくタッチイベント処理やRedux的な状態更新も止まるため、ユーザー体験としては同種の「固まり」が発生する。OS側の検知メカニズムが働かないだけで、問題自体は消えていない。 重い処理の逃がし方:InteractionManager(旧API)とWorkletsは別物 RN側で「重い処理をUI/JSスレッドから逃がす」ための手段として、従来は InteractionManager がよく使われていたが、2026年8月リリースのReact Native 0.87で InteractionManager は削除済みであり、公式は代替として requestIdleCallback を案内している。0.82〜0.86の時点では非推奨警告が出るようになっていたため、既存プロジェクトでこの警告を見た人も多いはずだ。以降は「過去にどう動いていたか」の説明として読んでほしい。 ...

August 16, 2026 · 2 min

WSL2でExpo + E2Eテスト(MaestroとDetox)を試みて完全に詰んだ話

TL;DR WSL2環境でExpo(React Native)のE2EテストをMaestroとDetoxで試みたが、どちらもWSL2とWindowsエミュレータの構造的な問題で動かなかった。 かなり過言ではあるが、あえて感情的になるならば、Mobile開発においてMac以外は人権がない。というかあまりにもMac環境以外がだるすぎる。 環境 OS: Windows + WSL2(Ubuntu) Expo SDK 54 / React Native 0.81.5 New Architecture有効 Androidエミュレータ: Windows側で動作(Medium Phone API 36) ADB: Windows側のものをWSL2から参照 Maestroを試みる インストール curl -Ls "https://get.maestro.mobile.dev" | bash export PATH="$HOME/.maestro/bin:$PATH" ここで最初の罠。maestro --helpを叩くとAI系の全く別のCLIツールが応答した。同名の別アプリが先にPATHに入っていたため。$HOME/.maestro/binをPATHの先頭に置くことで解決。 フローの準備 # .maestro/add_and_complete_task.yml appId: com.example.myapp --- - launchApp - tapOn: text: "追加" - inputText: "テストタスク" - tapOn: text: "追加する" - assertVisible: text: "NOW" 実行して即死 You have 0 devices connected, which is not enough to run 1 shards. エミュレータはWindows側で動いており、adb devicesにはemulator-5554が見えている。しかしMaestroはWSL2側でデバイスを探すため認識できない。 --udid=emulator-5554を指定しても: Device emulator-5554 was requested, but it is not connected. maestro start-device --platform=androidを試みると: ...

February 23, 2026 · 2 min